バーボンウィスキー大百科
バーボンウィスキーに魅せられ、飲み続けた銘柄は800種類を突破。そのテイスティング記録、思い出の銘柄、コラム、飲み歩き日記など、バーボンはもちろんアメリカンウィスキー全てに関するお話と魅力を語ります。
私の思い出のバーボン~第9話:ケーデンヘッド・フランクフォート6年&9年(1ST LOT)


※写真左:ケーデンヘッド・フランクフォート6年1ST LOT
※写真右:ケーデンヘッド・フランクフォート9年1ST LOT
私がバーボンを本格的に飲み始めた頃、いつものように中野の「ジョージアムーン」で手当たり次第にバーボンを味わっていました。そんなある日、「きつめで味がしっかりしたバーボンが飲みたい」という私のリクエストに、当時のマスターIさんが出してくれたのが、この「ケーデンヘッド・フランクフォート6年&9年(1ST LOT)」でした。
緑色のボトルにシンプルなラベル。度数もプルーフ表示でないため、なんか変だな。。。と思っていたら、実はこれスコッチのボトラーズの会社とのこと。ボトラーズとは蒸留所から直接樽ごと買い、その樽を独自に熟成・ボトリングする会社で、ケーデンヘッド社はスコッチ業界では有名な会社のひとつ。スコッチに限らず、バーボン、アイリッシュ、カナディアンなど幅広く手がけ、ここのボトルの特徴は加水をしない樽出しでボトリングする、いわゆる「カスク」シリーズ。そのため、この2種類も6年が62.9%、9年が64.2%とかなり高い度数になっています。
このボトルは1998年にボトリングされた1ST LOT。つまり、ケーデンヘッドのバーボンシリーズで一番最初に発売された物になります。どちらも限定270本。ここで気になるのは「フランクフォート」という表示。いったいどこの原酒?と思うと思います。実際、旧エンシェント・エイジ蒸留所(現バッファロー・トレース蒸留所)説とジム・ビーム(第3プラント)蒸留所説が出ましたが、答えは旧エンシェント・エイジ蒸留所(現バッファロー・トレース蒸留所)説(実際、ケーデンヘッド社に確認しています)。バーボンファンとしては「やっぱりな」というのが正直な感想です。
香りは芳醇な甘さと鼻にツンとくるアルコール臭が入り混じった感じで、どちらも殆ど同じような印象です。味わいも濃厚で深い甘さときつい辛さが際立ち、かなり重厚な味わい。ただ、カスクで味がしっかりしているので、飲みごたえがあり、とてもおいしい。やはり、どちらも味わいが似ていますが、9年の方がコクも深く、よりしっかりした味わいです。ちょっと面白いのが後味に若干の塩味を感じたこと。この樽を熟成していたケーデンヘッド社がスコットランドのキャンベルタウン(港町)にあるので、それが影響したのかな。。。などと思いました。
ケンタッキー生まれのスコットランド育ちのバーボン。こんなちょっと変り種のバーボンもいいものですよ。
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私の思い出のバーボン~第8話:ユニオン・リーグ・クラブ13年BIB

最初そのボトルを見た時、正直バーボンとは思いませんでした。なんとなく、ヴィンテージワインやシェリーそしてポートワインの印象。ラベルがシンプルで上品なその銘柄の名は「ユニオン・リーグ・クラブ13年BIB」。バーボンと分かってもそれまで見たことも無ければ、聞いたことも無い銘柄でした。
このボトルと出会ったのはおなじみの横浜・上大岡の「ショットバー・ブルボン」。マスターに聞くところによると1950年蒸留、1964年ボトリングのヘヴン・ヒル原酒。ヘヴン・ヒルにこんな銘柄が!と思ったのですが、裏ラベルの「DSP-KY31(注:バーボン蒸留所にはそれぞれ蒸留所番号があり、謎の銘柄でもこの番号で判別できることがある)」の文字を見て納得。その当時にはこのような銘柄も発売されていたのです。
まず香りから驚かされた。芳醇で深い甘さで、チョコレート、生クリームっぽさも出る素晴らしい甘さ。この漂う甘さを堪能し、一口味わってさらにびっくり!芳醇で濃厚な甘さが口の中に広がり、最後までこの甘さが続いていく。ヴィンテージ物のブランデーを味わっているような印象で、極上の味わい。ゆっくりと味わいながら、素晴らしいひと時を楽しみました。
まさに外見のボトルのイメージそのままに、上品で高級感のある味わいでした。
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6/5今日のバーボン:ついに開封!限定バーボン「ブーンズノール16年」



今日は会社が休み。朝起きてから家事をして、夕方からご無沙汰してしまっている大宮の「ファイブ」へ。またいつもと同じ様に開店と同時に店に入った。
今日の銘柄は。。。
*バーボンヴァレー 6年(特級) 80P
*バーボンヴァレー 8年(特級) 90P
*バーボンヴァレー12年(特級)101P ※写真左
⇒地味な銘柄だが、ずっと飲みたかった特級表示の3種。香りは6年はすっきりめでフルーティー。あまり広がらないが、熟した果実のような感じで心地よい甘さ。8年はやや芳醇で深い甘さ。カラメル、バナナ、ナッツなどが出る。6年より甘さが出る。12年は芳醇な甘さでフルーティー。ブランデーのような甘さ。味わいは6年がすっきりめでフルーティー。バランスも良く思ったより甘さが深い。8年は芳醇で濃厚な甘さ。まろやかでバランスが良い。深みもありおいしい!12年は芳醇で深い甘さとしっかりした辛さ。濃厚な甘さは糖蜜やメイプルシロップのよう。甘さもあるが辛さも強め。個人的には8年が一番好み。3種飲み比べたが、やはりこの特級表示ボトルは味が良い。
*ヘリテージ8年 86P ※写真中
⇒ちょっとマニアックな銘柄。香りはすっきりした甘さでややフルーティー。バナナ、ガムシロップ、ハチミツのような甘さ。控えめだが良い甘さ。味わいはまろやかで深い甘さが目立つ。甘さは上品なハチミツのよう。飲みやすく、おいしい味わい。
*エンシェントエイジ(特級) 80P
*エンシェントエイジ(特級)角瓶 80P
⇒どちらも80年代の特級ボトル。同じ銘柄・度数なので、味が同じと思ったら違ってびっくり。まず前者、香りはフルーティーな甘さ。マスカット、整髪料、清涼飲料水のような感じ。味わいはすっきりめでフルーティーな甘さ。バランスは良い。そして後者、香りはすっきりめでフルーティー。味わいはまろやかで芳醇。濃厚な甘さが広がり、最後まで甘さが深い。ボトル違いでここまで味わいが違うのは驚いた。
*ラッキーストライク13年 94P
*ラッキーストライク15年 101P
⇒80年代後半~90年代初頭のかなりマニアックな銘柄。ただし、このボトル、ジャケットから想像できないかなりの味で特に15年は秀逸。まず13年、香りはやや芳醇な甘さ。バニラ香も出て、時間経つほど香りが開いてくる。味わいは芳醇で深い甘さとしっかりした辛さ。まろやかさもあり全体的にしっかりとした味わい。そして15年、香りも濃厚な甘さ。バニラ香やチョコレートのような感じ。味わいは濃厚で深い甘さとまろやかなコク。13年よりさらにバランスがよく、味も良い。かなり出来が良い。私はこの15年がかなりのお気に入り!
*ブーンズノール16年 91.6P ※写真右
⇒マスターのご配慮で開けていただいたボトル。これまたマニアックで、90年代初頭に256本限定で発売されたボトル。今まで謎だったが、ラベルの「ローレンスバーグ」という住所を見て納得。これはオールドリップヴァンウィンクル社が出したボトラーズ銘柄。よって、原酒はスティッツウェラー!香りはすっきりした甘さ。ブランデーっぽい香りも出る。味わいは芳醇で深い甘さとややしっかりした辛さが目立つ。甘さは徐々に深みが増し、上品なラム酒のよう。実際味わってみると、確かに!と納得できる。ただ、酷なことを言えば、16年という熟成年数の割にはインパクトは弱く感じてしまう。「コロネルランドルフ16年」と同じように120P前後くらいの度数であればもっと良くなっていたかもしれない。
久しぶりの来店だったが、思いがけず「ブーンズノール16年」を開けてくれたり、最後に「エズラブルックスNo.19」の初期のボトルを味見させてくれたりと、至れり尽くせりでした。マスターいつもありがとう!
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6/3今日のバーボン:最後のスティッツウェラー原酒



今日は久しぶりに鷺沼の「BAR SAL'S」へ。マスターがゴールデンウイーク頃にケンタッキーに行ったので、当然ながら珍しい新作が入っていた。早速、それらをいただくことにした。
今日の銘柄は。。。
*W.L.ウェラー12年(プライベートボトル/4TH BARREL2005)90P※写真左
*W.L.ウェラー12年(プライベートボトル/2005 BARREL "C")90P※写真中
⇒一見すると何の変哲も無いウェラーですが、実はとても珍しいボトル。と言うのも、どちらもプライベートボトルで、マスターのアメリカの友人がバッファロートレースから樽ごと買い取ってボトリングしたものだからです。しかも、今は無きスティッツウェラー蒸留所の最後の樽の一部。早速、心して味わいました。まず前者、香りはすっきりめでさわやかな甘さ。りんご、えんぴつの芯、僅かにマジック臭などが出る。味わいは芳醇な甘さとしかりした辛さが目立ち、どちらかと言えばややドライな感じ。そして後者、すっきりめでフルーティーな甘さ。マスカット、生クリーム、ややマジック臭が出る。味わいはまろやかで深い甘さが目立ち、やわらかい味わい。甘さも深く、個人的にはこちらの方が好みだ。スティッツウェラー蒸留所の原酒は私も好みなので嬉しかった。
※写真は同じようですが、ネックの部分にぞれぞれ「4TH BARREL2005」と「2005 BARREL "C"」の文字が入っています。
*サゼラック・ライ8年 90P ※写真右
⇒日本では数年前に「サゼラック・ライ18年」が発売されたが、これはそのシリーズの若い年数。もちろん、アメリカでしか発売されていない(今のところ)。香りはすっきりした甘さ、やや穀物っぽい。メロン、麦、白ワインがなど出る。意外とフルーティー。味わいはフルーティーな甘さとライ特有の苦味のある辛さが出て、穀物っぽさが強く出るが、全体の出来は良い。飲みやすいタイプで、個人的にはやはり18年の方が好みだ。
今日のボトルは市販されていない貴重な物なので、わたしの様なマニアックなバーボンファンにはありがたい限りだった。
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6/2今日のバーボン:70年代オールドテイラー対決



今日は六本木の「アボットチョイス」へ。またもや非常に珍しいバーボンが入ったのです。今日の目指すバーボンは「オールドテイラー」。しかし、ただのテイラーではございません!「オールドテイラー・ブラックラベル90P」なのです。このブラックラベルは私も噂には聞いたことがありましたが、今まで数々のバーボン専門店に行きましたが、実際にお目にかかったのは今回が初めて。1970年代のもうひとつのテイラーと共に比較して味わってみました。
今日の銘柄は。。。
*ワイルド・ターキー8年旧ボトル ※写真左
⇒テイラー対決の前にまず1杯!「手ごろなウィスキーをロックで」と注文し、マスターのIさんが出してくれたのがこれ。普通のターキーでないのがさすが。8年の旧ボトルは味が濃く、ロックにしてもあまり崩れない。氷もジョージア時代と変わらず丸氷。一度削った氷を再度凍らしているので、ダラダラ解けないのがいい。たまにロックで飲みたくなるのだが、今日はそんな気分だった。
*オールド・テイラー・イエローラベル 86P ※写真中
*オールド・テイラー・ブラックラベル 90P ※写真右
⇒そして1970年代テイラー対決!どちらも70年代前半のボトル。まずはイエローラベル。これは1974年ボトリングの当時のスタンダード。香りはフルーティーでフローラル。華やかなバニラ香が広がり、ハチミツや桃の様な香りが出る。味わいもとろりとしたハチミツのような甘さで、後からよりまろやかさが増し、甘さも濃厚になる。いわゆる、私たちがイメージする”テイラーらしい”味わい。そして、ブラックラベル。これも70年代前半のボトルで、限定で出されたもの。香りは芳醇な甘さ。ブランデーのような香りで、バニラ香は弱め。味わいは芳醇で深い甘さとピリピリした辛さ。ややドライだが、エグさはない。深く芳醇な甘さがしばらく続く。甘さは上質なブランデーの様。このブラックはある意味テイラーらしくない味。Iさんが「同年代のフィッツみたいなイメージ」と言っていたが、よく分かった。
私はテイラー好きなので、久しぶりにおいしいテイラーを満喫でき、ブラックラベルまで味わえ、ありがたい限りでした。
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